恋愛のパターンは、実はそんなに多くありません。
年齢や地域、タイミングを考慮すると無数にあるのですが、大別すると「成就する恋愛」か「成就しない恋愛」かの2種類です。
成就する恋愛のことを「得恋(とくれん)」というそうです。その反対の意味をもつ言葉が「失恋」というわけですね。
ここでは、恋愛をいくつかの種類に分けて詳しくみていきます。面白いことに、それぞれに特徴があって、得られるものも大きく違いがあるので比べてみましょう。
■片思い
恋愛がまだ成就していない段階のことです。「ちょっと気になるヒト」も含むので不倫や浮気の一歩手前もこれに該当します。そして「恋心」が一番燃えているときでもあります。
もし上手くいって付き合うことになっても、相思相愛のまま続くことはそうそうないのが現実です。別れることがなくても、情に変わっていくケースがほとんどだと思います。
現実を見て、ギャップが大きくなっていくに従って気持ちが萎んでしまうのでしょう。
一般的には、相思相愛が恋愛のピークだと思われがちです。しかし、相思相愛の時期というのは、純粋な「恋心」だけではなく、「嫉妬」や「独占欲」などが大部分を占めることも多いのではないでしょうか。
その結果、実際に会ってもケンカしてしまったりと、本当に楽しいデートばかりではないということも多いと思います。
それと比較すると、「付き合ったらどうなるんだろう」とか「もし付き合えたら何をしよう」と、妄想している片思いの段階は、一番激しい感情が渦巻いているのかもしれません。
特にエネルギーへの変換率からいうと、「付き合っている人の前で頑張る」のと「片思いを抱いている人の前で頑張る」とでは、どちらの方が頑張れるでしょうか。
前者は「自分と付き合っている」という安心感があるので、ちょっと気を抜いてしまっていることもあるかもしれませんね。
それに対して、まだ「相手を自分のモノにしていない」ときは、底知れぬエネルギーが沸いて出てくるのではないかなと私は思います。
「相手を自分のモノにしたい」という熱情が、とてつもないエネルギーを与えてくれることもあるのではないでしょうか。
■両思い その1
結婚はひとつの収まりどころです。終着点ではないので、ここから失恋に傾くこともありますし、不動の安定感があるわけでもありません。
互いの感情が高まって結びついている状態ですが、いとも簡単にほどけてしまうこともあります。しかし、なぜかここをゴールだと感じてしまう人も多くいそうです。
フィクションもののストーリーの結末が「結ばれるもの」であったり、結婚式を盛大に祝う習慣もそういうフシを感じてしまいます。
そのため、離婚は周囲に気まずく感じたり、罪悪感にさいなまれたりという人も多いでしょう。離婚がひとつの事件性を帯びてみえるのも、その辺りの道徳心が関係しているのかもしれません。
結婚は決してゴールではないのに、そう思わせる風潮があるというのは、それが「人々の願い」であるからかもしれません。
愛や恋は永遠ではないけれど、「ずっとつづいて欲しい」とみんなが願っているからこそ、その反対の意味を持つ離婚という結論に、事件性を感じるのかもしれません。
娯楽として求められる創作物でも「結ばれる」ものが多いのは、そういった「人々の願い」が影響しているのではないでしょうか。
古くからゴシップ記事は衰退することもなくつづいているように、その前段階である交際期間も、一部の層には事件性・話題性があるように感じられるようです。
ストレス発散や疑似体験、自身への注意喚起や戒めといった点で、人々から求められているカテゴリーなのでしょう。
しかし、ゴシップなどでよくある「芸能人同士の交際発覚」などが、結婚や離婚のときほど事件性を感じないのは、法で定められていないからかもしれません。
むしろ、法で定めていない分「別れる可能性を考慮して」付き合っているという、自由恋愛を楽しむ趣きがあるのでしょう。
これらのことから、結婚や交際は終着駅ではなく、ただのレール変更に過ぎないということがわかります。これまで一人で生きてきたレールから、二人で生きていくレールに変更するだけです。
その後もレールはつづきますし、途中でさまざまなトラブルが発生することもあります。
それらをふまえた上で、新たに進むレールを決めるようにしないと、結婚しても離婚や破局してしまう可能性が高くなるだけなのかもしれません。